栄養指導の現場で多くのクライアントと向き合っていると髪の毛の悩みを持つ方の多くに特定の栄養不足が見られますが特にグルタミンというアミノ酸の充足度が髪の毛の太さや密度に深く関わっていることを詳しく解説したいと思います。髪の毛はケラチンというタンパク質でできていますがこのケラチンの合成には硫黄を含むアミノ酸が必要でありグルタミンはその前駆体となるアミノ酸の輸送や代謝をスムーズにする役割を果たしています。またグルタミンは腸管粘膜の主要なエネルギー源であるためグルタミンが不足すると腸の吸収機能が低下しせっかく摂取した他の美髪成分が毛根まで届かないという事態を招きます。つまりグルタミンは髪の毛を直接作る材料であると同時に栄養の通り道を整備するインフラのような存在なのです。ダイエットなどで極端な食事制限を行うと真っ先に髪の毛が細くボロボロになるのは体内のグルタミンがエネルギーとして消費されてしまい髪の毛を太く育てる余裕がなくなるからです。専門的な視点で見るとグルタミンは体内の窒素バランスを一定に保つ働きがありこれがポジティブな状態であればあるほど筋肉や髪の毛といったタンパク質組織は成長しやすくなります。逆に窒素バランスがネガティブに傾くと体は自分の組織を分解して生存を図るため髪の毛は細くなり最終的には抜け落ちてしまいます。栄養士として私がアドバイスするのは特定の育毛成分だけを追い求めるのではなくまずはグルタミンを十分に満たして体の代謝基盤を整えることです。食事では生肉や生魚、発酵食品などに含まれていますが現代の食生活では不足しやすいためパウダー状のグルタミンを上手に併用することを勧めています。特に女性はライフステージによるホルモンバランスの変化やストレスでグルタミンを浪費しがちですので髪の毛のボリュームが気になり始めたらまずアミノ酸スコアとグルタミン摂取量を意識してみてください。髪の毛の太さは一朝一夕で変わるものではありませんが細胞の入れ替わり周期を考えればグルタミンを中心とした食事改善を三ヶ月続けることで必ず変化が現れます。栄養学の観点から言えば髪の毛の悩みは体質という言葉で片付けるのではなく成分の過不足という観点で解明可能な問題です。グルタミンがもたらす内側からの再生力を信じて食習慣を見直すことが美しく力強い髪の毛を手に入れるための最短ルートであることを知っていただきたいと思います。髪の毛は食べたものからできておりその中でもグルタミンは最も基礎的かつ強力な建築資材なのです。